TAIのサッカー考察

「試合に出られる方法」を研究するブログです

もっと早く知りたかった日本代表の戦略①

日本代表の「4-3-3」フォーメーションは世界に通用するのか?

キリンチャレンジカップ2022 日本代表vsパラグアイ代表

「4-3-3」フォーメーション。ちょっとびっくりした。森保監督はまさに世界で戦う方法を探しているんだと思った。

けれどこれまでの日本代表のフォーメーションは「4-2-3-1」がメインであって、「4-3-3」はあまり記憶にない。

フォーメーションも変われば、当然起用する選手も変わってくる。ではなんでフォーメーションを変更したのか?パラグアイ戦を通して考えていきたい。

チャンピオンズリーグの決勝ラウンドともなると「4-3-3」で戦うチームをよく見かける。

実際にこの間のCL決勝のリヴァプールとレアルは共に「4-3-3」で戦っていた。

そもそも今まで「4-3-3」じゃなくて「4-2-3-1」を使っていた理由。これは個人的な考えだけれど

日本代表には体力的にキツすぎる。

からだと思う。じゃあ、「4-3-3」と「4-2-3-1」って何が違うの?ってなると1番はシンプルにMF3人の運動量がかなり増えること。

サッカーをしていた人なら分かると思うけれど、中高生で「4-3-3」を使うチームがなかなかいない。

※2010〜2016くらいの中高時代の体験談 ※現在はわかんないです

なんでかっていうと、体力的にキツすぎてついて行けないから。Jリーグでも使ってるチームを見かけるけれど、それでもやはり少数。

「4-3-3」の特徴としては、 3人のMFのうち、アンカーが1人、インサイドハーフが2人となっている。(今回はアンカーが遠藤でインサイドハーフが原口と鎌田)

アンカーに求められるのは、GKやDFからボールをもらい、両サイドの選手に大きくボールを展開したり、

相手FWを味方CBと挟んでボールを奪ったり、相手のトップ下またはインサイドハーフの1人を潰すこと。いわゆるチームの心臓的な役割。

今までは2人でしていたポジションを1人でこなさないといけない。その分、負担が増える。

インサイドハーフに求められるのは、相手のDFとMFの間でボールを受けて味方FWやWGにパスを出すこと。左右上下にいろんなところに顔を出さなければならない。

その上で、相手のCBとSBの間から背後のスペースへ飛び出しチャンスを作ること。これが「4-3-3」における1番のだと思っている。

「4-2-3-1」では、1人のトップ下選手がこの役割を果たすことが多い。それが「4-3-3」では2人になる。つまり、より攻撃力が増すということ。

相手にボールが渡れば、自分のポジションへ全力で戻らなければならない。じゃないとカウンターを受けることになるから。攻守の切替も大事になってくる。とにかく体力がいる。

これができる世界で1番うまい選手はケビン・デ・ブライネかなと思ってる。わかんない人はYouTubeで検索してみてほしい!

2010年W杯より前はちょっとわからないけれど、10、14、18年のW杯で日本の走行距離は大会参加チームの中で毎度下から2〜3番目だとか??

要するに日本は走れない国だってこと。

とはいえ、走るだけがサッカーじゃないのも事実。 チーム事情や監督の好みによってスタイルはさまざまだし、

CL決勝だって、走行距離がより多かったリヴァプールにうまい戦い方をしたレアルが勝った。

いまは海外組が多い日本代表。世界で戦い「4-3-3」を知り理解してる選手もたくさんいる。

これらを承知で森保監督は「4-3-3」を試してるんだと思う。できるできないは一旦置いといて、やってみる価値は十分にある。

【04:40〜】

立ち上がりから日本は攻撃でいい形が作れた。

堂安が中に切り込み、逆サイドの三笘へパス。相手は三苫のトラップの瞬間に狙って詰めようとしたが、三苫が冷静に対応。

オーバーラップしてきた伊藤へ縦パスをいれる。タイミングはバッチリ。

最後は中で待っていた堂安がシュート。惜しくもキーパーに止められてしまうが、堂安が自分から流れを作ってフィニッシュする良い形だったと思うし、ここから日本のペースになった。

また日本のペースになった一つの要因に遠藤の存在がある。相手のボランチ選手がボールを受けた時に前を向かせないよう確実に潰しにいく。

こうすることで日本はチャンスを作られず。安定した守備を披露できた。

しかし、30分をすぎた頃、「4-3-3」における守備の課題が見られてた。

【31:50〜】

対人戦の守備はよかったものの、見事にスペースをつかれた。幸い遠藤が全力で詰めてボールを奪い返すことには成功したが、相手がトップレベルなら間違いなくやられていたシーン。

この場合、対策は2つあるかなと思う。 1つ目は堂安が中に絞って外側の選手は山根に見てもらう。2つ目は遠藤がパラグアイ20番についていき、遠藤がいた空いたスペースを鎌田に見てもらう。

監督の戦術次第で両者とれるが、選手への負担と簡単さを考えると、前者を取るべきかなと思う。こういうのをもっと選手に落とし込んでいく必要がある。

結果的には前半2-0で折り返し、いい内容で終えることができた。

後半、メンバーを何人か入れ替えスタート。しかし、自分たちのミスから1失点してしまった。しかし、失点直後にすぐ3得点目が決まる。

鎌田が相手からボールを奪ってカウンターを仕掛ける。そのとき5vs5のシーンが作れた。

【59:50〜】

ボールを持った原口が中央へドリブルで切り込み、相手選手を3人引きつけ、空いた三笘へパスし軽やかなシュート。この試合1番綺麗な形だったと思う。

さらにその後「4-3-3」が活きたシーンも見られた。得点にはならなかったが、それがPK獲得のシーン。

堂安のカットインから相手SBとCBの裏へ走り込んだ鎌田へ鋭いスルーパスを通した。スルーパスに反応した相手GKがボールを先に触った鎌田の足を引っ掛けPK。

インサイドハーフの強みの1つとして、相手背後のランニングがある。このランニングがあるチームとないチームとでは攻撃力に大きな差が生まれる。

堂安のパスもよかったが、鎌田のランニングを賞賛したい。

【67:50〜】

さらに追加点が入り結果的には4-1と圧勝。南米の強豪たちと争ってきたパラグアイにこの点差の勝利は大きい。

「4-3-3」についても、ここまでやれるとは思ってなかった。次のブラジル戦でさらにどれだけ戦えるかが試される。

とはいえ、上記で述べたように課題もたくさんあって、ブラジルのような強豪国相手だと確実に失点につながってしまう。

森保監督のマネジメント力が問われることになる。

インスタでも更新してるのでぜひチェックしてみて! →@barca_tai